本プログラムの紹介

大学院の特徴

  • 「歴史ある社会人大学院」

    社会人大学院の先駆けとして創立以来30年の伝統の下、第一線の教授陣を擁し、20代から60代まで業種・世代を問わず共に学び、多様で豊かな人材を輩出しています。博士前期(後期)課程修了者は、各々、修士・博士(法学)を取得。大学教員へ転身する方もいます。

  • 「基礎から広範な法律科目を学べる」

    常勤および非常勤の教員による講義のほか、実務家や他大学の招待講師による集中講義も多数。充実したカリキュラムで基礎から理論、実務への応用、新しい法分野まで学ぶことができます。法科大学院、経営学位プログラム 、博士後期課程の科目も選択できます。

  • 「少人数指導で、比較法や最先端の学際的研究まで」

    ゼミ、専門分野の研究会などの発表・議論の機会があり、さらに比較法や学際的な最新の研究成果を卒業後も継続して学べます。学位論文は、指導教授による1対1の個別指導で、『企業法研究の序曲』、『筑波法政』などの論文掲載、懸賞論文の受賞などの実績もあります。

  • 「社会人に便利な立地、職業との両立に配慮したカリキュラム」

    通常の講義は平日夜間・土曜日に開講、最長6年まで在籍可能です。通学に便利な文京キャンパスには、図書館や共同研究室も完備。また、1科目から学べる科目等履修生制度や、受験時に勤務先からの推薦書類の提出を必須としないなど、社会人に学びやすい環境です。なお、現在すべての講義がオンライン講義または対面とオンラインのハイブリッド講義で行われています。

創設からのあゆみ

 経営システム科学専攻が開設されてから1年後の平成2年(1990年)4月に、経営・政策科学研究科の1専攻として、博士前期課程としての企業法学専攻が設置されました。その後、平成8(1996年)4月に、再び、経営・政策科学研究科の1専攻として、博士後期課程としての企業科学専攻が設置されました。企業科学専攻には、法学分野を専攻する「企業法コース」と経営学分野を専攻する「システムズ・マネジメントコース」とが設けられました。その後、平成13年(2001年)4月に行われた筑波大学における大学院組織の改組再編によって、大学院ビジネス科学研究科が設置され、企業法学専攻及び企業科学専攻も、ビジネス科学研究科の専攻として位置付けらました。

 企業法学専攻は、経営システム科学専攻と同様、有職社会人をターゲットに設定し、その職業人としての経験や問題意識をふまえて、理論的な裏付けを得られるようにすること、より大所高所からあるいは客観的に自己の問題意識を位置づけ、それに対する解決を見出すことを可能にすることなどをねらいとして設立されました。すなわち、企業法務が直面しつつある法的諸問題は、国内外の経済的、社会的状況の激しい変化に伴いますます専門化し、高度化する一方で、従来からの伝統的法学教育の枠内では十分な対応が困難と考えられ、そのような分野に関し企業活動に必要な専門の法的知見を有する人材を養成することが高等教育機関にとっての喫緊の重要課題であると考えられました。また、必ずしも企業法務分野に限らずそれ以外の分野で活動する有職者に対しても広く高度の法学的知識を修得する機会を提供する必要があると考えられました。これは、わが国企業が国内的にも国際的にも法的に調和のあるルールに従った経営を行っていくことが強く求められているという認識を背景とするものでした。しかし設置当時は、働きながら大学院レベルの教育をうけたいと願う社会人を主たる対象として設置された大学院はみあたらず、主として夜間に開講する、少なくとも、もっぱら夜間(・休日)に開講する大学院は存在しませんでした。その後ほどなくして文部省により大学院設置基準が改正され、筑波大学夜間修士課程は「主として夜間において教育を行う修士課程」から、「専ら夜間において教育を行う修士課程」へと位置づけられました。これは時代を先取りする教育課程の設置であったということができます。

 そして、令和2年4月以降の修士(法学)学位プログラムにおいても、企業法学の分野における人材需要に応えて、現代社会において企業が直面する法的諸問題について適切な解決策を提示できる法学的専門能力を有する高度専門職業人の育成・再教育を目的とするとされ、企業において、一定の実務経験を有し、現代社会において生ずる多様な諸問題を法学的専門知識と法的思考方法によって解決することができる、高度専門職業人を育成しています。

 また、令和2年4月以降の博士(法学)学位プログラムにおいても、高度専門職業人の養成・再教育に対する社会的要請に応え、企業や社会が直面する新たな類型の法的諸問題について、総合的かつ高度な判断能力を持ち適切な解決策を提示できる高度専門職業人、及び、その経験を有効に活用し得る研究者の養成を目的に教育を行っています。

From the Program Leader
プログラムリーダー挨拶

 法学学位プログラムは、企業法学分野における人材需要に応えて、現代社会において企業が直面する法的諸問題について、適切な解決策を提示できる、法学的専門知識を備えた高度専門職業人の育成・再教育を目的としています。

 30余年のリカレント教育の経験を踏まえて、法学学位プログラムでは多忙な社会人が重点的かつ効率的に学習・研究を行うことができるようにさまざまな工夫をしています。まず、法学学位プログラムでは、学生が自らの興味・関心や研究テーマ、職業上の必要に応じて自由にカリキュラムを組むことができるようになっています。開講科目には、法学を学ぶうえで基礎となる法文献学や比較法といった共通科目に加えて、社会人のニーズと学問的特性に合わせて履修の重点領域を設定した多数の専門科目が設置されています。これらの講義は弁護士等による実務色の強い講義ではなく、理論面に重点を置いて行われています。学生が基礎から学ぶことで論理的・体系的な思考力を涵養し、研究活動を通じて、修了後に応用力を発揮できると考えているからです。修了生の中には、新たに社労士、弁理士などの専門資格を取得して、プロフェッショナルとして活動していく方もいます。

 次に、法学学位プログラムでは、博士前期課程・博士後期課程ともに各教員がマンツーマンで論文の完成をサポートしています。法科大学院では今ある法の解釈について学ぶことが中心ですが、法学学位プログラムではあるべき法とは何かを探求し、指導教員の助言を受けながら自らの考えを論理的に表現することを学びながら、これを学位論文というかたちで結実させます。

 さらに、最近では、多忙な社会人のニーズに応えて、法学学位プログラムでは、すべての講義や演習の授業をオンラインまたは対面とオンラインのハイブリッド方式で行っています。オンライン講義の学習を支援するためのデータベースの拡充や大学図書館を通じた電子媒体の参考図書の配架にも努めています。

 ところで、社会人大学院で学ぶことのメリットは、同じ問題意識や目的をもった様々な分野で働く社会人と交流ができるところにあります。修了生からは、「それぞれのフィールドで活躍している社会人との活発な意見交換を通じて、自らの問題意識を納得のいくまで突き詰めて考えるという貴重な経験ができた」、「実務経験に基づいたリアルな討論に教員が学術的な視点で解説していくなど、実務と理論を結びつけながら法的思考を身に着けることができた」といった声が聞かれます。我々教員もまた学生と共に考えることで学問上の気づきを得ることも多く、企業や社会の中で問題意識をもって考えようとする学生たちから大きな刺激を受けています。

 世界が歴史的に大きな転換点を迎える中で、企業社会を取り巻く法律問題は一層複雑化しています。社会にはこうした法的課題に対して新たな解決策が求められています。その解決を図ろうとしている意欲ある皆さまが私たちの研究の輪に加わらんことを教員一同切望しています。

プログラムリーダー 木村真生子

プログラムが取り組む研究課題

 法学学位プログラムの教員は、現代社会・経済のビジネスにおける課題を中心に、理論的・実用的な研究を行う組織であるビジネスサイエンス系において「企業法学グループ」として活動しています。

 ビジネスサイエンス系では、現実のビジネス社会における実務上の知識と、先端的な学術の知見・手法とを融合することで、実践的な理論体系を構築し、実社会に還元することを目的に研究を行っています。

 ビジネスサイエンス系の特徴は、社会人大学院との協働を通した研究の高度化を行っている点にあります。社会人学生として職業上の経験や知識、問題意識を持ってキャンパスにやってくる学生との交流は、実社会とアカデミクスの架橋としての意味を持つものです。これは、ビジネスサイエンス系の研究活動にとっても重要な意味を持っています。

【企業法学グループ】
現代の社会はグローバル化・IT化をはじめとした変化の中にあり、同時に企業にはコンプライアンスやガバナンスの強化が求められるなど、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。このような社会では、企業法務の機能強化がこれまでになく重要視されています。このため、企業法学分野の研究は極めて重要なものになっています。

 企業法学研究グループでは、企業法務に密接に関連する法分野の研究者が、企業が直面する法的な課題に対して、理論に基づいた実効性のある解決策を提示することを目的とする研究を行っています。また、その研究成果を政策提言として社会に還元することを目指しています。

プログラムが取り組む研究課題

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